【読書】高い家賃なのにいつも満室になる 人気物件のつくり方 一芸物件

www.ascom-inc.jp

AO入試のことを一芸入試と揶揄する声がある。
私は、良いじゃないかと思う。
他にない何かを持っていて、それを人から認められるのは良いことだ。

 

社会人になってからも一芸持っていた方が何かと便利だ。
自己紹介の時、ちょっとした一芸ができると覚えてもらいやすい。
みんなの前でけん玉の日本一周・世界一周を決めたら「あのけん玉の人」と覚えてもらえる。
人は一芸あった方が世渡りしやすい。

 

家やマンションにも同じことが言えるらしい。
確かにそうだ。
「このアパート1階の部屋は家庭菜園ができます!」
「ここに住めば格安で毎日3食が食べられます!」
「猫にとって住みやすい空間があります!」
こんなフレーズが刺さる人もいるはずで、刺さった人にとっては多少高くても住みたい物件になるはずだ。

 

本書では、そんな一芸物件の紹介と一芸物件のつくり方を解説している。

 

筆者は、株式会社日産自動車で働いていた元サラリーマン。
2004年にサラリーマンをしながら、賃貸事業をスタート。
2016年に会社を辞めて専業の大家さんとなっている。

 

相続などで元々家を持っていたわけではない。
最初は中古の物件から始め、付加価値を付け、それを売り、良い物件を買い、建てて今の規模にしている。
立派な事業家だ。
サラリーマン大家といえば、親から相続した家があって、勝手にそういう身になるような人ばかりをイメージしていた。
サラリーマンでも、やる気があれば、これだけのことができるのだ。

 

最後の第4章で、大家をやっていく上での精神論を語っている。

じつは私は保有するアパートの掃除は管理会社に委託せず、自分ですることにしています。

週1度ほどのペースで保有する物件を回り、草むしりをしたり、共用部を掃除したりしていますが、一定期間ごとにアパートを訪れ、ゴミ捨て場をチェックしたり、掃除をしたりしながら、視界に入る部分だけでも変わりがないことを点検することは有意義なことだと感じています。

定期的に自分の物件に足を運び、自らの目で状況を確認し、そこに住む人とのコミュニケーションを図る。
本書では、一芸を持たせるハウツーを多く解説してくれているが、それよりも、これが一番大事なことかもしれない。

 

所有する物件に真剣な大家さんだからこそ、他の物件と差別化できる一芸を生み出せる。