【読書】老化を遅らせる脳の鍛え方

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精神科医として多くの高齢者に触れた経験と知識を元に、脳を老化させないための筆者のノウハウがまとめられている。
本書は2009年の筆者が出した「一生賢くなる 50歳からのタクティクス勉強法」を改題し、大幅に加筆、編集された本。
元の本のタイトルにある通り、勉強法についても多くのページが割かれている。

 

40代、50代になって
・新たに勉強を始めようと思っている人
・記憶力が悪くなったのを実感し何とかしないといけないと思っている人
が読むと良いかもしれない

 

「英語が話せるようになりたい」「料理ができるようになりたい」「歴史を学んでその地を旅行したい」
歳をとっても、理想的な自分を求めて勉強を始める人は多い。
でも、思うような自分になれずあきらめてしまう人も多いだろう。
私自身、おじさんになり、若かったころの記憶力は無くなり、覚えるのにものすごく時間がかかるようになったと実感する。

 

歳をとった大人が勉強を続けるコツとして次のようなことを挙げている。
・インプットと同じくらいアウトプットする。
・むずかしい問題をじっくり解くのではなく、簡単な問題をたくさん解く。
・スランプに陥ったら予習より復習。
このようなことは、人によっては当たり前のことかもしれない。
でも歳をとると、このようなことで継続し、脳を鍛え続けるのが良いのだ。

 

もう一つ。大人ならではの面白いことが書いてあった。

夫婦関係がうまくいってないとか、子どもの悩みを抱えているとった問題があるならば、その時期は勉強を差し控えた方がいい。
やはり、家庭問題をきちんと解決していくことを優先しなければならない。
真剣に家族の問題に取り組むべきだろう。
これは道徳的な意味で言っているのではなく、人間というのは気がかりなことや不安なことがあるときは、こちらが想像する以上に能率が落ちるから時間の無駄を生じやすいし、逆に家族問題の方はそのようなことをしていると修復不能に陥りやすいからだ。

わかる。
不安なことが頭をよぎって集中できないのなら、まずそれを解決するべきだ。
ただ厄介なことに、大人になれば、このような不安は日常茶飯事である。
割り切れることと割り切れないことはあるので、割り切れないものについては早めに解決するべきと受け止めた。

 

幸い、割り切れない問題は私のまわりにはあまりない。
歳をとっても勉強することは良いことだ。

 

人生まだまだこれから。
より多くの経験をして、充実した人生を送りたい。