摂食障害とはこんなにも辛いものなのか

涙を食べて生きた日々 摂食障害 体重28.4kgからの生還

 

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摂食障害で、拒食症になり、その後、過食症にもなった女性の体験談。

拒食症とは、身体の機能が異常な状態ということではなく、精神障害らしい。
最初にこの説明を読んだとき、精神面がどのように関係しているのかピンとこなかった。
私も気持ちが落ち込んで食欲がなくなることはたまにある。
それに似たようなことなのかな程度の理解でいた。

 

だが、そうではないらしい。
食べものを目の前にしたとき、それを「食べてはいけない」という強烈な感情が沸き起こる。
「食べると太るぞ」「カロリーはいくらだ?」「太って美しくなくなるぞ」
このような、自分へのささやきが聞こえてきて、その結果、食べられない状況に陥ってしまうようだ。

 

治療のために彼女は精神科病院に入院し、黒田先生による治療を受ける。
彼女はとても先生のことを信頼している。
治療にあたる過程で、先生の言葉を何度も思い出して励みにしている。

「食べていくうちに変わる」

 

また、退院が近づいたころ、食べることにまだ悩んでいた彼女に対して黒田先生は

「全部食べなさい」

といい、彼女はそれを素直に受け入れている。

 

拒食症の人にとって食べるということが、回復のための大前提であることは明白だ。
ただそれができないから、やせ細り、精神科病院に入院する。
「食べなさい」という言葉は、ごくごく当たり前の言葉だ。
入院する前、母親などは同じ言葉を口にしていた。
にもかかわらず、彼女は受け入れなかった。
同じ言葉なのに、黒田先生の言葉は聞き入れている。
その言葉の前後にある、言葉や態度、雰囲気で、彼女をその気にさせる力を持っていたのだろう。
彼女は本当に良い先生に巡り合えてよかった。
さすが精神科の先生!ということなのかもしれない。

 

私が、これまで摂食障害に人と接する機会というのは無かった。
ただ、一般人の感覚で摂食障害の人にアドバイスしてはいけないということだけは理解できた。
チープな感想だが、摂食障害の人の気持ちが少しわかった気がする。