【読書】桜華 防衛大学校 女子卒業生の戦い

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1992年4月、防衛大学校に第一期の女子学生が入学。
防衛大学校としては第四十期の年。
それ以降、防衛大学校は男女共学となり、多くの女性自衛隊員を送り出してきた。

 

女性自衛隊員と聞くと、華々しい印象もあるが、多くの苦労もあったことは容易に想像できる。
なんと言っても、今まで男性だらけの世界だ。
簡単には男女平等ということにはならなかっただろう。

 

そんな世界で生きる9人の女性の苦悩や活躍を記したノンフィクション。
自衛隊の活動に限らず、女性としての恋愛、結婚、出産、育児、離婚、家族、病気なども描かれている。

 

自衛隊。そこは圧倒的な男社会。
彼女たちは多くの理不尽な扱いもされてきたようだ。
女を捨てろと言われた人もいた。男女同じ扱いをする前提があるからだろう。
任務によっては女性が付けない任務もある。男女同じと言っておきながら。

 

そんな中でも力強く生きる彼女たちの姿を知ると、尊敬とともに、感謝の言葉を言いたくなった。
「道を切り開いていただきありがとうございます」

 

本書の中で彼女たちが語る言葉の中に、共通する言葉があった。
「自分たちの活躍の場がないことが平和」

自衛隊が国民に感謝される時って、必ず災害などの不幸が起きたとき。だから、私たちが目立たず、平和な状態が維持できていることが日本にとって最高の状態です。

このようなメッセージを読むたびに、ジーンときた。
今の、この世の中があるのは彼女たちのおかげでもある。
感謝。