【読書】世界を変えた10のトマト

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料理において赤を添えたいと思ったらトマトは必須だ。
同じ赤でもニンジンや唐辛子、パプリカではダメだ。
トマトの赤がいい。

 

本書は、トマトが人々に食べられるようになってから現在に至るまで、非常に細かく書かれてある。
トマトについてうんちくを知りたい人には最高の本だろう。
ただ、私には詳しすぎた。
詳しく細かく知りたい人にはお勧めする。

 

タイトルの通り10のテーマに沿ってトマトのことが書かれてある。
・トマトがヨーロッパの人びとに食べられるようになるまで
・ピザ、パスタ、ケチャップの誕生物語
・スーパーマーケットに売られているトマト
・など

 

トマトは生で食べる以外に色々なところで口にしている。
トマト缶は我が家では必需品だ。
冷蔵庫に何もないとき、パスタやスープを作るのに活躍する。
ケチャップも冷蔵庫に必ず入っている。
定番のオムライスはもちろん、朝食にピザトーストを作る時に便利だ。

 

スーパーマーケットに行けば必ずトマトがある。
あのトマトたちの多くは、青いまま収穫して運ばれるという。
このことは、昔、NHKの教育テレビで見た記憶がある。

 

青いトマトについて、本書で次のように書かれてある。

おばあちゃんの完熟トマトはセントルイスまで到達することはないだろう(中略)
真実は、バケツから投げ込まれ、トラックからなだれ落ち、ローラーの上で弾み、輸送用の木箱の中に投げられたら、イモカリーから脱出することすらできなかっただろうということだ。
(中略)
彼らはそれを硬いままもぎ取りたいのだ。
というのも、フロリダ・トマトの販売の全ビジネスモデルは、社内ピクニックでそれらをソフトボールのように投げることができるかどうかにかかっているからだ。

大げさに言っているのだろうが、トマトをソフトボールのように投げるというのはちょっと衝撃的だ。
著者は、ニューヨークタイムズのベストセラー作家。
そのため、これはアメリカでの話になる。

 

さすがに、日本ではトマトが青くてもソフトボールのように投げることはないだろう。
ただ輸送時の衝撃や、箱詰め時の利便性を考慮して硬いうちに収穫するというのはあるはずだ。
だからこそ、店に並べたときに綺麗な状態なのだ。

 

今、日本においては、品種改良や流通の発達などにより、赤いトマトを収穫し店頭に並べている例は多いはずだ。
これは、多くの人がトマトに関心を持ち、常に改良が重ねられてきたおかげである。
美味しいトマトを栽培している農家さんに、トマトを運ぶ運転手さんに、その他トマトに関わる人たちに感謝!