【読書】市民的抵抗 非暴力が社会を変える

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非暴力的なやり方で、政治、社会などに市民が立ち向かうにはどうするのがいいのか?
歴史上の事例を多くとりあげ、非常に具体的に説明されている。
ただ、私には難しすぎた。

 

そこで、少し読み方を変えてみた。
会社における会社員としての戦いという設定で読むとおもしろく思えた。
具体的には、ある会社における労働組合が、会社に対して何らかの変革を求める構図だ。

 

もう少し具体的に考えてみる

会社における変革のために何を目指すか?

多くの活動家はこう信じている。

単一の目標を持つことよりも重要なことは、明確で具体的な目標を持つことである、と。

たとえば、「ムバラクは出ていかなければならない」は、「私たちは九十九パーセントに属する」よりも明確で具体的なスローガンだ。

極端な例だと、経営者交代ということになるが、もう少し身近な話で考えてみる。
分かりやすいのは給料アップ(ベア)だろう。

 

ベア交渉を成立させるために、どれくらいの協力者が必要だろうか?
筆者は、三・五パーセント・ルールというのを唱えている。

「三・五パーセント・ルール」とは、運動の観察可能な出来事の絶頂期に全人口の三・五パーセントが積極的に参加している場合、革命運動は失敗しないという仮説だ。

従業員が1万人の会社の場合、350人が本気でベアに取り組めば良いということになる。

 

人を集めて訴えるだけでいいのだろうか?

市民的抵抗が成功するか失敗するかは、主に、あらゆる立場から、大多数の人びとを参加するように促せるかどうか、そして政権の支持者たちの離反を促す能力にかかっているということだ。

会社側の人間から離反者を出す。
経営者からベアにすごく賛同する人を見つけたり、人事担当者を丸め込む手もありそうだ。

 

見方を変えると
・単に声を上げるだけではダメ
・ある程度の規模感が無いとダメ
・敵に立ち向かうだけではダメ
といえる。

 

市民的抵抗も、ベアも成功の秘訣は同じなのかもしれない。

 

私は会社での出来事に置き換えてしまい、著者が期待するような捉え方をできなかったかもしれない。
ただ、組織において、非暴力的に何か大きなうねりを作るにはどうするべきなのかのヒントを得られた。
だからといって現時点で私が何かをしようとは思わない。