【読書】韓国ドラマが教えてくれた大切なこと

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韓国ドラマは観たことがない。
ただ、私の周りは韓国ドラマをよく観ている。
「太陽の末裔」「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」などの話が聞こえてくる。

 

もっとも、私は日本のドラマも、映画もほとんど見ないので、とうてい韓国ドラマについて語れる立場ではない。
とはいえ、皆がそれほどまでに面白いという韓国ドラマに少しは触れてみたくて、本書を取ってみた。

 

筆者は一日中ドラマやバラエティ番組、映画などを観て、それについて書くことを仕事としている。
そんな筆者が観た韓国ドラマの中から、42作品を取り上げ、印象的なセリフとともに感じたことを書いている。

 

各章は、
・ドラマの1シーン(セリフ)
・筆者の身の回りの話
・ドラマの1シーン(説明)
・これらを織り交ぜて得られた教訓や所感
という構成になっており、1つの章はコンパクトにまとめられている。
ドラマの全貌は分からないが、それぞれの魅力は伝わってきた。

 

全体的には「特別なイベントではなく、日常の中に幸せがあるよね」と締めくくっているものが多い印象だった。
人は劇的な出会いや、大金持ちになることにあこがれる。
それがドラマのテーマとなることは多い。
ただ、劇的な出会いができたり、大金持ちになったら幸せかと言われるとそうでない。
その後、信頼おける人と毎日普通の食事をすることが大切なのかもしれない。

 

本書で紹介された中で、観てみたいと思ったドラマは「浪漫ドクター キム・サブ」

キム・サブ(ハン・ソッキュ)がドンジュを治療してやりながらこんな言葉をかける。
「本当に復讐したいのなら、あいつらよりもましな人間になれ。
 怒りじゃなく実力で仕返ししてやれ。
 わかるか?
 おまえが変わらなければ何も変わらない」。
ひとりひとりが変わらなければ、変化は怒らないという言葉に深く共感した。

 

そして、最後に次のように締めている。

結局のところシステムを変えるのは一瞬の怒りや復讐のようなものではなく、
ひとりひとりの思考の変化であり、それが作り出す巨大な共感のうねりではないだろうか?

 

筆者の感想について非常に共感する。
感情だけで大きな変化を起こすことはできない。
感情をあらわにしたところで、一時的に周りが心配したり、迷惑をこうむったりするだけだ。
その感情を大きなうねりにして、システムを変えないと社会は変わらない。

 

果たして、このドラマの中ではこのような流れを起こすのかは分からない。
機会があれば観てみたい。