【読書】国内外の超一流500人以上から学んだ必ず人を動かす伝え方 巻込み力

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テレビ東京で「ワールドビジネスサテライト」や「ガイアの夜明け」を担当
ソフトバンクにて、孫社長直轄の動画配信事業「Yahoo!動画、現・GYAO」を担当
このような経歴を持つ筆者が、自らの経験から導き出した「伝え方の法則」を伝授してくれる本。

 

伝えるのに大事なのが、タイトルにもある「巻き込む力」。
それを発揮するには「ストーリー」「資料」「体当たり」の3要素が必要であるとし、それらを掘り下げて説明している。
特にストーリーについては「コレだけでOKなことも多い」と、多くのページが割かれている。

 

ビジネスにおいて、プレゼン資料を作る人は多いだろう。
そんな時、ストーリーは大事だ。
インパクトのある言葉だけを並べても、支離滅裂な内容だったら理解してもらえない。
全体の筋が通っていても、面白くなければ聞いてもらえない。

 

私は、プレゼン資料をつくる時、いきなりパワポを開かないようにしている。
まずテキストで、伝えたいことをひたすら書き出す。
まさに、ストーリーを作る作業だ。
その際、文章を書くのにいつも頭を悩ます。
どんな流れで説明しようか?一番伝えたいことは何だろうか?どういう言葉で伝えようか?順番はどうしようか?
本書には、こんな悩みに対するヒントがちりばめられていた。
同じ悩みを抱える人に、読んでもらえるといいかもしれない。

 

筆者は、孫社長との接点が多かったこともあり、孫社長に関する話がいくつかとりあげられている。
その中で、ソフトバンクで新規事業を担当していたときのエピソードは興味深い。

私たちのチームで、孫社長に事業計画を説明したことがあります。
(中略)
一通り説明を聞き終わった孫社長が、ぽつりと一言指摘しました。
「『左脳』ばかりで、『右脳』が少ないよな」
最初は何のことか、私にはさっぱりわかりませんでした。
ですが、孫社長の話をよく聞いているうちに、右脳というのは「感情を揺さぶる要素」という意味だとわかってきました。

誰かを説得するには、論理的であるだけでは足りないのだ。
右脳を刺激し、感情を揺さぶるようなストーリーが必要なのだ。

 

人から共感を得たいとき、人のぬくもりを感じるストーリーは大事だと思う。
理路整然とした冷たさを感じるロジカルな文章だけでは伝わらないのだ。

 

筋が通って、心動かしてこそ、人を巻き込めて、コトが動く。