【読書】死刑のある国で生きる

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死刑のある国、日本。
死刑が執行されるとニュースになる。
そして法務大臣のインタビュー映像が流れる。

 

冒頭で、死刑のある国、無い国の説明がある。
世界を見ると、多くの国では死刑を実質的に廃止しているそうだ。
そんな中、死刑制度を維持する、先進的な民主主義国家が二つ。
アメリカと日本だ。
死刑という分野において、日本はマイノリティに分類されるらしい。

 

作者は、アメリカ、フランス、スペイン、日本の加害者や被害者に、それぞれの国における死刑への捉え方を取材している。
被害者から見た死刑の捉え方、加害者から見た死刑の捉え方、国による違い、当然ではあるが様々で、色々と考えさせられた。

 

作者が次のように述べている。
私は、この意見になるほどと思った。

被害者遺族や一般市民は、殺人犯たちがただのうのうと生き残るのではなく、苦しみながら償い続けるか、あるいは、彼らが死を恐れながら過ごし、その後に処刑されるような結末を望んでいるのではないだろうか。

少なくとも、日本ではそうであるように私には映る。

 

私は、死刑とは、この世から悪さをした奴を消し去るために存在するものではないと思う。
そうではなく、人の心の奥底に渦巻くモヤモヤとしたものを和らげるためにあるものだと思う。

 

簡単な話じゃない。
むずかしい。